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那須塩原ブランド

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那須野秋そば 室井忠夫さん/鏑木栄次さん

そば本来の風味を活かし、手作りにこだわった那須野が原のそば

2016/01/28

提供:那須塩原市
那須連山のふもとに広がる那須野が原・高林地区で江戸の頃から栽培されていたそばの実が近年みつかって栽培に成功し、『那須野秋そば』として復活。
石臼挽き、手打ち、手作りにこだわった食材で、高林地区ならではのそばを提供するファーム高林坊の代表である室井忠夫さんとそば職人の鏑木栄次さんにお話を伺ってきました。

地元農家が集まって、みんなで作った『那須野秋そば』

そばの花が終わりを迎える10月初旬、高林産のそばや特産物を提供し、そば教室も体験できるファーム高林坊を訪ねました。
まずは室井さん、『那須野秋そば』とは、どんなそばなのですか?

「この高林地区は、江戸時代に会津街道よりそばの実が持ちこまれ、盛んに栽培されていた土地です。それと同じ品種のそばの実が近年みつかり、地元の農家9名、トータル60ヘクタールの畑で栽培を開始しました。
純粋なそば粉が100袋作れたら販売をしようと試み、3~4年かかってようやく実現。平成20年に『那須野秋そば』を商標登録して、このファーム高林坊をオープンしました」
ネーミングの由来は、那須野が原の秋に取れるそばだから『那須野秋そば』。
わかりやすくて、とてもいい名前です。販売には色々とご苦労があったとか?

「東日本大震災のときに風評被害に遭い、そば粉の値段がガクッと下がりました。そこから、どうやったら売れるだろうかと考え、ブランドの定着化や二八乾麺そばの製造に力を入れ、少しずつ知名度を上げていきました。今では、県外からわざわざそばを食べに来るお客様や、そば粉を求めるお客様もたくさんいます」
『那須野秋そば』の実は小さく、繊細で不安定なそばの実とも言えます。
そば職人の鏑木さん、粉挽きからそば作りの工程を教えてください。

「こちらでは、3台の石臼で丁寧に粉を挽き、各畑ごとのそば粉をブレンドして水回しをし、手打ちを行います。同じそばの実でも畑が違うと微妙に味が違い、ブレンドは夏と冬、その日の湿度によっても変わってきます。そばを薄くのして、細めに切ったら出来上がりです。
そば殻なしの麺を『高林そば』、一般的なそば殻ありの麺を『田舎そば』と称して、ここでしか食べられないそばを提供しています」

ファーム高林坊名物の『高林そば』のセットをいただきました

『高林そば』と野菜の天ぷら、五目御飯も付いたボリューム満点のセット。実は野菜もお米も全て手作りで、"生産者のわからないものは出したくない"という徹底した地元農家のこだわりを感じるメニューです。
少し青みがかった『高林そば』は、そばの香りと甘みが際立っていて食べ応え満点。普通のお店より多めの200gのそばを盛り付けているそうです。夏場はこの『高林そば』がさっぱりしていて一番人気、これからの秋冬は『鴨そば』もいいかもしれません。

麺にそば殻を入れない『高林そば』は、特に作ることが難しいそうです。現在、このそばを打てるのは鏑木さん只一人。「玄そばの管理、ブレンドを含めて、早く後継者がみつかるとよいのですが」と語っていました。

ブランドイメージを大切に、販売店を限定

現在の商品は、生そばをはじめ、二八乾麺そば、そば粉、そばかりんとうなどがあります。通常は粉の配分を四六で作る乾麺を二八で作ることに成功。そばかりんとうは『高林そば』と『田舎そば』をブレンドして作っています。
これらの商品は、ここファーム高林坊と東武百貨店のみで販売。那須塩原ブランド認定前から『那須野秋そば』として人気を博し、東武百貨店の年越しそばでは毎年最初に完売しているそうです。
「栃木県民の日に宇都宮で実演販売を行ったところ、あまりの反響の多さにビックリしました。地元での人気も定着し、埼玉や千葉など、他県から来るお客様もいるのはありがたいですね。
道の駅での販売も考えていますが、ブランドイメージを保つために、販売店はここと東武百貨店に限定しています。あくまで地産地消にこだわり、これからも美味しいそばを提供していきます」と室井さんが締めくくりました。

地元農家、スタッフの想いが結集したファーム高林坊で食べる『那須野秋そば』の味は格別です。店内の大きなガラス窓からは、那須連山を背にしたそば畑が広がり、夏から秋にかけてそばの花を楽しむこともできます。
わざわざ遠方から車でそばを食べにいらっしゃり、また来たくなるお客様の気持ちがよくわかります。
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