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きらきらチャレン人

【ビーンストーク親子英会話教室】清水 紀久子さん

~子どもたちの“豊かな人間性”を育むために~

2016/10/07

今回、ご紹介する『チャレン人』は西那須野で「ビーンストーク(Beanstalk)親子英会話教室」を開いている清水 紀久子さんです。

市の「シティプロモーション推進懇談会委員」としてもご活躍をされ、市民の声を市に届けて下さっています。

昨年の秋、教室の生徒たちと市のPR動画を作成して下さいました。


≪那須塩原市PR動画≫

ビーンストークに通う生徒たちが英語で那須塩原市を紹介しています。
この動画に隠された、ストーリーは後ほど・・・☆


清水紀久子さんってどんな人?

外に出て気づいた故郷の魅力

紀久子さんは西那須野で生まれ育ち、大田原の高校を卒業すると、秋田県にあるミネソタ州立大学の日本キャンパスへ進学をしました。

日本語教育のクラスを受講したことがきっかけで、外国人に日本語を教える仕事に興味をもち、アメリカのオレゴン大学に編入をしました。


しかし、紀久子さんは、アメリカで生活をしていくうちに、あることを感じるようになったそうです。

それは、『自分は日本人である』ということ。

アメリカで日本語教師になるという夢を抱いて渡米しましたが、ずっとアメリカには住めないと思うようになったそうです。

さらに、外国に行ったことで、今まで見えていなかった“日本”“故郷”の魅力に気づいたといます。

「やっぱり那須塩原が好き」

紀久子さんが卒業後にたどり着いたのは、ほかでもない“生まれ育った那須塩原”でした。

都会の人混みは疲れてしまうという紀久子さんにとって、那須塩原の「自然があるのに、不便ではない」というバランスが、ちょうど良いのだといいます。

親子英会話サークル設立

毎回、家でも親子で英語を楽しめるように、ミニポスターを作成して配布。参加者の中には、今でも大切に持っていてくれる方もいるのだとか。
毎回、家でも親子で英語を楽しめるように、ミニポスターを作成して配布。参加者の中には、今でも大切に持っていてくれる方もいるのだとか。
帰省後は、アメリカで身に着けた英語力を活かし、こども英会話教室の講師として8年間働きました。

出産を機に退職をしましたが、紀久子さんには、「どうしたら子供たちの“話す力”をもっと伸ばせるのか・・・。」という想いが残ったそうです。

週に1回英会話教室に通っていても、なかなか“スピーキングの力”“自分で文章を作る力”を十分に伸ばすことは難しかったといいます。

そして、ご自身のお子さんが1歳になったころ、「自分で英会話教室をやってみたい!」と、一念発起をしました。

ご主人や同居している両親の協力のもと、町の長寿センターを借りて、未就園児にしぼった親子英会話サークルを設
立しました。

スーパーなどでチラシを配布することからはじめ、徐々に人が集まるようになり、半年が終わる頃には50組も参加するようになっていたそうです。

そして、「もっと英会話を学びたい」という声が多かったことなどから、2010年にビーンストークを開きました。

巡り合った教授法

親子サークルと時と同じくして、紀久子さんはある英会話の教授法に出会いました。

それは、東京の仲田利津子先生が考案された、聞く、話す、読む、書くの4スキルをバランスよく身に着けることができる「MATメソッド」というもの。

紀久子さんは、その中の“話す力”を養う方法に、特に共感を覚えたそうです。

それは、英会話教室は『80%先生が話しがち』になるのに対し、それとは真逆の『80%子どもが話す』というものでした。

紀久子さんは、「これが私にはなかった!」と気づき、MATメソッドの研修を受け、習得をしたそうです。

ビーンストークでは、英語で“コミュニケーション”がとれる子供を育てます。

ビーンストーク親子英会話教室

「親子」にこだわるワケ

ビーンストークは、少し珍しい個別指導の親子英会話教室です。

紀久子さんが『親子』で参加することにこだわった理由は2つあります。
① 日本で英語を習得するには、毎日、英語を話す必要がある
覚えた英会話を親子でロールプレイしています。
覚えた英会話を親子でロールプレイしています。
紀久子さんは、アメリカに留学していたとき、他の国の留学生たちとの英語レベルの差に驚き、大変苦労したといいます。

日本人は学校で英語教育を受けているにも関わらず、なかなか“話す”ことができません。
それは、“話す”機会が足りないからだといいます。

英語は使えば使うほどに話せるようになります。

日本語が溢れるこの環境で英語を習得するには、意識をして自ら英語の環境をつくる必要があります。

そのためには、家でも英語を話すことが理想的ですが、会話をする相手がいなければできません。

そこで、親子で学んでもらうことを思いついたそうです。

実際、子どもだけのレッスンとくらべ、伸び方が全然違うのだとか。
② 親子の「絆」を深めてほしい
≪母の日イベント≫<br>「I love you mum 」日本語ではなかなか伝えられない言葉も、英語だと言えることも。ビーンストークでは言葉で気持ちも伝えることを大切にしています。<br>
≪母の日イベント≫
「I love you mum 」日本語ではなかなか伝えられない言葉も、英語だと言えることも。ビーンストークでは言葉で気持ちも伝えることを大切にしています。
紀久子さんは、将来、子供たちが社会に出て、様々なつらい出来事に直面したとき、親のところにもどれる「絆」をつくってあげたいと思っているそうです。

親子で同じことを学ぶことにより、一緒に過ごす時間も増え、会話も増えます。

英語のテストの結果をみて、「なんでできないの!」と頭ごなしの怒るのではなく、「たしかにこれは間違いやすいよね!」など、同じ目線で共感することもできます。

『一緒に過ごす時間』『同じことを学ぶ共有感』が、親子の絆を深めると考えたそうです。
   

豊かな人間性を育むために

東那須野公園で娘さんとピクニック。お花が綺麗なことも那須塩原の魅力だといいます。
東那須野公園で娘さんとピクニック。お花が綺麗なことも那須塩原の魅力だといいます。
ビーンストークの目標の一つに、『豊かな人間性を育む』ということが含まれています。

それは、「言語に関係なく、コミュニケーションをとる上で大切なのは、何よりもまず“豊かな人間性”ではないか」という考えからだそうです。

そして、“豊かな人間性”を持った人たちが集まり、自分も相手も大切にするような素敵なコミュニティーができて欲しいと願っているそうです。

紀久子さんがそう思うようになったのは、ご自身が親になったことがきっかけだったといいます。

「親は順番的に子どもより早くいなくなるもの。」

そのあと子供たちが生きる社会がどうなって
いるかが心配だといいます。

そのため、我が子をはじめ、すべての子どもたちのよりどころとなれるような環境をつくっておいてあげたいのだそうです。
ビーンストークでは、子どもたちの“豊かな人間性”を育むため、みんなで集まって「グループレッスン」や「世界観を広げよう!」を行っているのだそうです。

「子供たちの世界観を広げてあげたい!」と、色々な国の人や様々な職業の人に来てもらい、お話を聞かせてもらうのだとか。

過去には、お寺のご住職から仏教の話「心の勉強会」、スズキメソードの先生から「子供の自立と親のかかわり方」について教えていただいたこともあったそうです。

その他にも、様々なイベントを開き、子供たちの心の成長を後押ししています。
≪フィールドアドベンチャー≫<br>ボーイスカウト那須野営場にて。グループに分かれ、MAPを持ち、チェックポイントをまわりながら、英会話の実践と、協力や生きる力を学びます。<br><br>
≪フィールドアドベンチャー≫
ボーイスカウト那須野営場にて。グループに分かれ、MAPを持ち、チェックポイントをまわりながら、英会話の実践と、協力や生きる力を学びます。

≪ハロウィン発表会≫<br>英語を使ってゲストをおもてなし。子どもたちがウェイター・ウィトレスになる「ハロウィンカフェ」や、ゲームやクイズなども披露します。人前で発表する力もつきます。<br>
≪ハロウィン発表会≫
英語を使ってゲストをおもてなし。子どもたちがウェイター・ウィトレスになる「ハロウィンカフェ」や、ゲームやクイズなども披露します。人前で発表する力もつきます。

那須塩原市の紹介VTR作成

自分の街を紹介しよう!

以前、「世界観を広げよう!」で、前任の那須塩原市国際交流員のアリスにも、講師を務めてもらったことがあったそうです。

1回目は、アリスの出身国フランスの文化などについて、教えてもらったそうです。
≪世界観を広げよう!~フランス~≫<br>親子でフランスについて学んでいます。<br>
≪世界観を広げよう!~フランス~≫
親子でフランスについて学んでいます。
フランスのボールを使って遊ぶ「トマトゲーム」
フランスのボールを使って遊ぶ「トマトゲーム」

2回目は、「国際交流員の仕事」について教えてもらったのだとか。

それをもとに、昨年3月に「実際に国際交流員になってみよう!」という企画を開催しました。

市内や近辺在住の約40人もの外国人を招き、子どもたちが「国際交流員」となって、日本の文化や那須塩原市を紹介しました。

また、4月になったら、お花見を楽しんでもらえるようにと、お花見文化についても紹介をしたそうです。
≪世界感を広げよう~Nasushiobara SAKURA≫ 
≪世界感を広げよう~Nasushiobara SAKURA≫ 
   ≪さくら押しずし教室≫
   ≪さくら押しずし教室≫
≪さくらクイズ≫
≪さくらクイズ≫
≪さくらもちカフェ≫ 英語でおもてなしをします。
≪さくらもちカフェ≫ 英語でおもてなしをします。

その際、那須塩原市の紹介、そして、桜、市内のお花見スポットについては動画を作成して紹介したそうです。

子どもたち一同「自分たちが住んでいる那須塩原市を英語で紹介してみたい!那須塩原市を知ってもらいたい!」という気持ちを込めて作ったのだといいます。

それこそが、紀久子さんの目的でした。

「紹介すること」は、まずは自分が「知ること」からはじまります。

紀久子さんは、アメリカに留学していたとき、「あなたの街の人口は?」とよく聞かれたそうです。

しかし、紀久子さんはその質問に答えられなかったといいます。

「他の国の留学生たちは、その質問に答えることができ、しっかり自分の国や住む街について語ることができるのに、なぜ・・・」

紀久子さんは自分が恥ずかしかったといいます。
そのことから、子どもたちにはそのような想いをさせたくないと思い、自分の国のことはちゃんと答えられるようにしてあげたいと思っているそうです。

そして今回、「まずは自分の住むまちのことは語れるように」と、その機会をつくったのだとか。

紹介する内容は、子どもたち、親御さん、そして先生が協力して調べたものだそうです。
なかには紀久子さんが知らなかったこともあり、子どもたちから教えられたこともあったといいます。

さらに、自分の街を“英語”で紹介するという機会も、とてもいい経験となったようです。

海外でも国際交流員となって那須塩原市を紹介

そのイベント後、春休みに『ミネソタ スタディープログラム』という親子留学を開催し、13人のビーンストーク親子メンバーで、アメリカのミネソタへ行きました。

現地の学童やプログラムに協力してくれたホストファミリーたちのパーティーなどでも、那須塩原市を紹介するVTRを上映したそうです。

それを見たみなさんは、「那須塩原市ってキレイね~!行ってみたい!」「素晴らしいところに住んでいるんだね!」など、嬉しい声を聞かせてくれたそうです。
アメリカの文化を学び、世界観が広がりました!  
アメリカの文化を学び、世界観が広がりました!  
ミネソタでも「国際交流員」となって、日本や那須塩原市を紹介したそうです!
ミネソタでも「国際交流員」となって、日本や那須塩原市を紹介したそうです!

紹介動画がつなげた、さらなる交流

那須塩原市を紹介する動画は、さらなる交流を生みました。

その動画を見て、那須塩原市に魅了されたミネソタのメンバーが、8月に那須塩原市を訪れてくれたのです。

日本文化を伝えるため、色々な場所を案内し、様々な体験をしてもらったそうです。

流しそうめん、回転寿司、そして、お互いの国の料理を一緒に作ったりもしたのだとか。
また、「マクドナルドで、日本語で注文してみよう!」という企画も行い、子どもたちはチームに分かれて、日本語を教えてあげたのだそうです。

それらの経験は、双方の子供たちにとって、豊かな人間性を育む貴重な経験となったでしょう。
≪日本のスーパーツアー≫<br>チームごとに買い物リストに書かれているものを見つけ出し、どの味を選ぶかなど話し合いました。<br>
≪日本のスーパーツアー≫
チームごとに買い物リストに書かれているものを見つけ出し、どの味を選ぶかなど話し合いました。
≪けん玉体験≫<br>日本の浴衣を身にまといながら、けん玉にチャレンジです。
≪けん玉体験≫
日本の浴衣を身にまといながら、けん玉にチャレンジです。
お別れパーティーでは、みんなで“よさこい”を披露。  
お別れパーティーでは、みんなで“よさこい”を披露。  
剣道も体験し、日本の文化をたっぷり経験してもらいました。
剣道も体験し、日本の文化をたっぷり経験してもらいました。

なぜ「那須塩原市のPR動画」に??

「世界観広げよう!!」に参加をして、その紹介動画に感動をした前国際交流員のアリスが、「市民の方がつくった“素晴らしい”動画がある」ということを、市役所シティプロモーション課に教えてくれました。

その動画を見て、同じく感動をしたシティプロモーション課は、それを「市のPR動画」として使わせて頂けないかとお願いをしました。
すると、紀久子さんは大変喜んでくださり、「それなら第2弾をつくらせてください!」とお返事を下さったのです!

実は、当初の動画は、「写真やパンフレットを持って説明する」というものだったのですが、それを「実際に現場にいって那須塩原市の魅力を紹介する」という内容に作りなおして下さり、冒頭にご覧いただいた「市のPR動画」ができあがりました!!

子どもたちが自分の街を堂々と紹介する姿に、心が温かくなります。
また、この動画は市を紹介するものでありますが、ここに住む私たちにも改めて街の魅力に気づくきっかけを与えてくれます。

むすびに

紀久子さんは教室以外にも、親子サークル「ビーンズクラブ ~親子で学ぼう会~」も主催しています。

英語を教えるだけにとどまらない、紀久子さんのその行動力。

今回、取材をさせていただき、それは『子どもたちの未来のために』という強い想いに裏打ちされたものなのだと知りました。

本気だからこそ、こんなにもたくさんの素晴らしいアイディアも生まれるのでしょう。

紀久子さんの終わりなきチャレンジは、確実に子どもたちの未来を良い方向に運んでくれることだと思います☆

紀久子さん、これからも頑張ってください!!

Beanstalk親子英会話教室
http://www.beanstalk-english.com/


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