地元暮らしをちょっぴり楽しくするようなオリジナル情報なら、那須塩原市地域ポータル「きらきらホットなすしおばら」!
文字サイズ文字を小さくする文字を大きくする

那須塩原市地域ポータル「きらきらホットなすしおばら」

きらきらチャレン人

【大道ポリス】 戸井田 拓郎さん

〜大人がまず気付く。それがそのまま教育になる。〜

2018/01/09

今回、ご紹介する 『チャレン人』 は、栃木県警那須塩原警察署 交通総務課の戸井田拓郎さんです。

“警察官”と聞くと、そのお仕事の内容も相まって、常に真面目さをまとっているような、そんな印象を抱いてしまいますよね。

そんなイメージを覆すかのように、2017年4月から「大道(だいどう)ポリス」として市内の学校やスーパー、イベント会場で大道芸と組み合わせた交通講話(通称 交通安全SHOW)を行っていらっしゃるのが戸井田さんです。

大道芸 × 交通講話 = ?

「大道ポリス」

その言葉の組み合わせだけでとても新鮮に思えますが、
この二つ、一体どう繋がるんだろう?という疑問は、
ショーが始まるとたちまち吹き飛んでしまいました。

ギターの弾き語りなぞなぞ、赤青黄の3色のボールを使った信号機ジャグリング

「パトカーを見ると、何もしていないのにはらはらしてしまう」といったあるあるネタから、間違えて覚えていたなあ、と気づかされる交通ルールまで。

分かりやすくて楽しい大道芸が、次から次へと繰り広げられていきます。

取材当時、「大道ポリス」として活動を始められてからまだ半年ほどだったはずなのに、そうとは思えない完成度。

「歌の名前は『いや、どーも』です!」と語るその口調は栃木弁で、地元の方も、思わず手を叩きたくなってしまう内容です。

一方通行ではなく、ちゃんと想いが届くように

もともとは刑事課で、日々泥棒を捕まえていたという戸井田さん。

交通課に配属になったことをきっかけに、各所で交通講話を行うようになりました。

そんな中、普通に“講話”するだけではなかなか伝わらないこと、
心に刺さらないということに気づき、悩んだ末に、今の「大道ポリス」というスタイルに行き着いたそうです。

「例えば、平成28年は、栃木県内76人死亡事故がありました、とみなさんに向かって話すんですけど。
どうも相手の方が、こくりこくりと眠たそうになってしまって。
それじゃ、ちょっと意味がないなと思いました。何か違う方法がないかと、色々考えてみたんです。」

交通講話というと、主に学校で行われているようなイメージもありますが、
戸井田さんは、大人にこそ、交通安全を訴えたいと言います。

「ジャグリングをしたり、ギターを弾いたりしてやっていますが、
一番は、十年後、二十年後に車のハンドルを握るであろう今の子供さん達に、交通安全を意識してもらうこと。
そして当然、子供に伝える側の大人達に意識してもらいたいということ。
大人の行動が子供にも伝わるから。まずは大人が気付いてほしいんですよね。」

だからこそ、ショーを見てくれる人の年代によって、ネタも少しずつ変えているそうで。

“相手に伝わること”への高い意識が、ひしひしと伝わってきます。

笑顔の裏にある切実な願い

戸井田さんのショーは、
「北は北海道から南は九州沖縄まで〜」という軽快な言葉からはじまります。

そこには、
「このような活動を全国に広げていきたい。そして最終的には、世の中から事故がなくなってほしい。」
という戸井田さんの願いが込められています。

そんな戸井田さんを突き動かすもの。
それは、交通事故がもたらす悲しみの深さ、大きさでした。

「死亡事故のご遺族を見ると、何かみんなに伝えられることがないのか、と本当に、強く思うんです。
ご遺族の悲しむ姿を見たくないので。その想いで、日々励んでいます。」

ひとつの事故から、家族、友人、たくさんの人のこころが辛くなってしまうこと。
そして、事故が起きてしまったら、もう取り返しがつかないということを、戸井田さんは教えてくれます。

むすびに

刑事課時代、目立たない服をまとい、街の安全を守っていた戸井田さん。
今では、キラキラの蝶ネクタイに大きな靴。

人を笑わせながら何か大切なことを教えてくれるその姿は、まるでチャップリンのようにも思えます。
笑いの中から気づかされること、きっと多いのではないでしょうか。

この「大道ポリス」という活動が、警察の堅いイメージを崩して、
交通安全をより親しみやすいものに、そして、警察官をより親しみやすいヒーローにしてくれたら。

そう語る戸井田さんの思い描く未来が、今からとても楽しみです。
          

            ※2017年9月9日放送のRADIO BERRY『チャレンジing那須塩原』でご紹介しました。

 RADIO BERRY『チャレンジing那須塩原』 ホームページ
  (PODCASTで聞き逃した放送を聴くことが出来ます。)


チャレンジing那須塩原~一歩踏み出す人を応援するまち

「立ち向かうユウキ」「乗り越える強いココロ」「きり拓くチカラ」
僕らは、先人からフロンティア-DNAを受け継いでいる。
だからこそ、新しい世界に挑み、チャレンジする人を応援できるのである。