きらきらチャレン人
今回ご紹介する『チャレン人』は、「株式会社パン・アキモト」と、今年2月より
本社工場にて、3年間に及ぶパンの製造技術に関する教育を受け始めた、3人の
「ベトナム人実習生たち」。
秋元社長の次男で、製造部部長の秋元 輝彦さん
クウアンさん
ティエップさん
ティンさん
「パン・アキモト」ってどんな会社?
創業68年の歴史を持ち、現在、那須塩原に2店舗、ベトナムに1店舗を構える老舗ベーカリーです。
パンの美味しさも去ることながら、「パン・アキモト」の名を有名にしたのは、長期保存の出来る「パンの缶詰」です。
美味しい備蓄食
1995年の「阪神・淡路大震災」の時に、同社は救援物資として、焼きたてのパンを被災地へ届けました。
しかし、地震による混乱のため、届くまでに時間が掛り、約3割ものパンが賞味期限切れによって廃棄されてしまったのです。
そんな悔しい経験からこの「パンの缶詰め」は開発されました。
この「パンの缶詰め」の凄いところは、〝長期保存が出来る〟という事だけではなく、〝安心品質〟な上に、3年経ってもふわふわで焼き立てのように〝美味しい〟ということ。
よって、「非常保存食」としてだけではなく、「携帯用食品」や「お子さんのおやつ」としても好まれるほどです。
この「品質」と「味わい」を保つために開発された特殊製法は日本・アメリカ・中国・台湾で特許を取得しました。
この「美味しい備蓄品」は、「東日本大震災」や記憶に新しい「熊本地震」をはじめ、これまでに世界各地で起きた災害の際にも、一早く被災地に届けられ、その美味しさで沢山の被災者の方のお腹と心を癒やしてきました。
色々な味があります。
蓋を開けると、紙に包まれたパンが。
この魔法の紙が、パンのふわふわ感と味を守ります。
こんなに〝柔らか〟です!!
社会貢献型企業として
寄付する缶詰にはメッセージを書き込むことも出来ます
さらに、同社が世界の飢餓対策支援活動として行っている「救缶鳥プロジェクト」も注目を集めています。
これは『「パンの缶詰め」の賞味期限3年のうち、2年間は購入者の手元で災害時の非常食として備蓄。賞味期限を1年残した状態で回収し、食べ物に困る海外の地域へ届ける』というもので、回収させてくれた購入者には、入れ替え用の新品を割引で販売しています。
創業者の夢
アキモトの創業者(現社長の父)には、自身の戦争体験から「アジアの人たちに申し訳ないことをした。アジアのために何か出来ることはないか」という強い想いがあったそうです。
その想いを受け継いで、同社が動きだしたのは、アジアにベーカリーをオープンすることでした。
第一号店となったのは、昨年8月にベトナム・ダナン市にオープンした日本式の街のパン屋「ゴチパン」です。
ベトナムはフランスに統治されていたため、パンを食べる習慣はあるものの、安価な小麦を使用するため、甘みがなく、触感の良くないパンが食べられている事から、日本式のふわふわなパンを提供し、「食文化・生活の向上につなげたい」そして「技術を伝承し、ビジネスを通じて経済発展の向上につなげたい」という想いからです。
さらに、「アキモト創業者の夢」であった「アジアの青年招聘」を実現すべく、日本の本社でも外国人実習生制度を利用して、ベトナムの若者たち3名を迎え、パン製造技術を教えることに取り組んでいます。
将来は、「ベトナムで修行をしている従業員」や「日本で訓練を受けている実習生」たちが、独立起業ができるよう支援していき、「ベトナムを中心にアジア全体の発展につながっていくように」と、現在、人材を育てているそうです。
パン作りと日本語の両方にチャレンジ!
漢字ドリルで勉強中!
日本に来て、まだほんの4ヶ月にも関わらず、既に日本語で簡単な会話が出来ます。
さらに、文字の読み書きもでき、漢字も猛練習中!
毎日の日報も日本語で書いて提出しています。
というのも、パン作りの実習・仕事が終わってから、自宅で毎日3時間日本語の勉強をしているといいます。
また、それほどの宿題を毎日出されているのだとか。
妻子を国に残して日本へ来ている実習生もいて、肉体的な苦労とは違う心労もある中でも、
彼らは、日本での生活が「楽しい!」とステキな笑顔を見せてくれました。
ベトナムは、日本に比べ、経済的な発展は大きくありませんが、その分、「活気があり、人間らしい部分があったり、笑顔も多い。文化の面で、ベトナムには無い「習慣」や「考え方」こそあるものの、覚えた仕事の能力は日本人と変わらない、むしろそれ以上にこなせることもある」と、3人に日本語や道徳を教える先生が話して下さいました。
「宿題大変!」と言いながらも、ニコニコとポジティブな姿を見せてくれました。
毎日家族に電話をしているそうです。
アジアの架け橋に
「パン作りの技術」や「日本語」を学んでいるだけではなく、「日本の文化や習慣」からも学んでいるという彼ら。
「ゴミをちゃんと捨てる習慣がある」など、日本の「文化」や「道徳」からも学ぶことが多く、ベトナムに帰ってからも実践していきたいといいます。
何事にも前向きで、笑顔で乗り越えていく彼らの3年後が楽しみです。
ベトナムと日本のいいところを併せて、ベトナム発展に貢献していく人材となっていって欲しいですね!!
世代や国を超え、少しずつですが確実に広がっていく「創業者の想い」。
「パン・アキモト」そして「ベトナム人実習生たち」が、アジアを結ぶ「架け橋」となっていかれることを期待しています☆
※2016年6月4日放送のRADIO BERRY『チャレンジing那須塩原』でご紹介しました。
チャレンジing那須塩原~一歩踏み出す人を応援するまち
「立ち向かうユウキ」「乗り越える強いココロ」「きり拓くチカラ」
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